https://mainichi.jp/articles/20180710/k00/00e/040/203000c

旭酒造本社蔵の清掃をする従業員たち=山口県岩国市周東町獺越で2018年7月9日午後2時6分、古賀亮至撮影
記録的な豪雨で、日本酒「獺祭(だっさい)」を製造する山口県岩国市周東町獺越の旭酒造は7日、本社蔵や直売所の建物が床上浸水などに見舞われた。従業員たちは9日も蔵や建物から泥水をかき出すなど清掃に追われた。
桜井一宏社長によると、浸水と停電によって、空調設備も機能しなくなり発酵などの製造工程がストップした。タンクにあった製造途中の酒は、純米大吟醸「獺祭」のブランドでは出荷することはできないが、何らかの形で売り出すことも検討している。
被害は1.8リットル換算で90万本分、設備修理も含め損害は約14億円から15億円に達するという。コンピューターで温度管理して通年製造しているため、夏場でも被害が大きくなったという。製造を再開するのに2カ月から2カ月半かかるとみている。
桜井博志会長は「突然の停電に対応できなかった。災害時の電源対策を見直さなければならない」と話した。【古賀亮至】