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仏教と言っても多種多様
身内の不幸により、自分が喪主として仏教式の葬儀を行う段になったとき、「我が家の宗派って何だったっけ? と、慌てて確認に追われる人が少なからずいるはずだ。
ひと口に仏教といっても、その宗派は多岐にわたる。
奈良時代の南都六宗からつづく華厳宗、法相宗、律宗。密教系の天台宗、真言宗。浄土教の教えを受け継ぐ融通念仏宗、浄土宗、浄土真宗、時宗。禅系の臨済宗、曹洞宗、黄檗宗。そして日蓮系の日蓮宗と、日本には合計13の宗がある。
これらは経典も、本山と呼ばれる統括の寺院も、信仰の対象となる仏も異なるが、それ以外にも宗派によってさまざまな違いがあるのはご存じだろうか。
その代表例が「和尚」という言葉。今では修行を積んだ僧の敬称として広く使われているが、本来の意味は出家して受戒する僧に教えを与える立場の教師のこと。国内では、758年に唐から渡来してきた鑑真が最初の「和尚」とされている。
さて、この読み方は? と訊かれたら、多くの人は迷わず“おしょう”と答えるだろう。もちろん、これも正解なのだが、正確には、こう呼ぶのは禅系の宗や浄土宗などの宗派に限った話。
法相宗、真言宗では“わじょう”、華厳宗では“かしょう”と読み、さらに律宗や浄土真宗では、「和上」と書いて“わじょう”と読むなど、表記まで異なるのだ。
また、天台宗では“おしょう”と呼ばれていた僧が亡くなると、“かしょう”へと呼び方が変わるといった場合もある。
ただ今日では、お寺の関係者であっても、こうした使い分けを必ずしているわけではなく、一般人と同様に“おしょう”で統一している場合が多いという。
むしろ、お寺以上に厳しくこの読み方を守っているのが、NHK。同社が発行し、アナウンサーたちの教科書にもなっている『ことばのハンドブック』には、歴史上の僧侶を「和尚」と言うときには、宗派ごとの正しい読み方を、と明記されているのだ。
(おしまい。